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09 2018

「三千世界に梅の花」(富岡多恵子)

「遠野物語」の基となる民話や伝記を柳田国男に伝えたり、

同郷の宮沢賢治とも交流があった、岩手の文学者・民俗学者:佐々木喜善。

また、武道としての精神的な裏付けを求め「言霊」の研究に没頭したり、

南方熊楠の神社合祀策反対運動に共鳴して熱心に活動したこともあったという、

合気道の創始者:植芝盛平。

直接的な関係性のない二人ですが、大本教の信者であるという共通点があります。


その道の達人であったり、各分野では一流である彼らや、その他の多くの人たちが、

「大本教の教義、または宗教的行為」のどういうところに、

共鳴して信者にまでなるのか?

また、現存するいろいろな新興宗教の中でも、

大本教から分離、派生した宗教が多くあることも、以前から気になっていました。

昨年だったか・・・、J-WAVEの番組:BOOK-BARで

大倉真一郎さんが紹介していた「三千世界に梅の花」(富岡多恵子)は、

その大本教の教祖 出口なおの半伝記的小説。

読み書きの出来なかった彼女が57歳で神がかりになって、

自動書記による「お筆先」という文章を大量に残すようになった、

それまでとそれからの生活苦と家族の不幸の様子が描かれています。

教義の本質や確信はあまり語られていなかったので、

大本教の根本は理解できませんでしたが、

神がかりの前提にあるのは、

本当に「狂い死に」してしまうほどの農村の貧困、生活の閉塞感であることはよくわかりました。

新興宗教誕生の時期も、この時代に集中しているので(地域も)何か関連性があるかもしれません・・・。

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